スペイン・ガリシア州 Spain-Galicia         緑の大地と紺碧の海に育まれた豊穣の地


ガリシア自治州 (Comunidad Autónoma de Galicia)

スペインの自治州のひとつイベリア半島の北西部に位置する。

スペインの中では年間を通して降雨量が多い地域で、気候は比較的温暖であり、土地は肥沃である。

北をカンタブリア海、西を大西洋に面し、古代より漁業が重要な地域であった。

(original map:wikipedia-Habbit:Autonomous communities of Spain no names.svg)

ガリシア州の州都

★サンティアゴ・デ・コンポステーラ (Santiago de Compostela):

ガリシア州政府・州議会がある場所であるとともに、中世からの聖ヤコブ信仰に基づく「サンティアゴ巡礼」の聖地でもある。


ガリシア州を構成する4つの県

●ア・コルーニャ県(Provincia de A Coruña):

海に面している部分が4県の中で最も多く、県庁所在地であるア・コルーニャ市 (Ciudad de A Coruña) にある港の他、大小の漁村が無数にある。内陸は、州都であるサンティアゴ・デ・コンポステーラ (Santiago de Compostela) を含み、比較的交通の便が良いので年間を通して観光客も多い。ア・コルーニャ県内の産業は多岐に渡り、海沿い地域の漁業の他、観光業(レストラン・ホテル業を含む)、サービス業、乳業、農業、情報処理業、小売産業など。

●ポンテベドラ県(Provincia de Pontevedra):

ヨーロッパで最も重要な漁港のひとつであるビーゴ港 (Puerto de Vigo) を抱える。ビーゴ市 (Ciudad de Vigo) とその周囲の市町村は、主に漁業と機械産業が盛ん。県庁所在地のポンテベドラ市 (Ciudad de Pontevedra) は、ローマ時代から栄えた由緒ある町で、町の中心には美しい中世の旧市街が残っている。南部はポルトガルに接し、全体的に温暖な気候の土地が広がる。ポンテベドラ県にあるワイン原産地のひとつ「リアス・バイシャス- Rías Baixas」のワイン「アルバリ―ニョ-Albariño」種白ワインは世界的に高い評価を得ている。

●ルーゴ県(Provincia de Lugo):

県庁所在地のルーゴ市 (Ciudad de Lugo) には、世界遺産の「ローマ時代の城壁 – Muralla de Lugo」があり、毎年、「ローマ祭 – Arde Lucus」で賑わう。「サンティアゴ巡礼 – Camino de Santiago」の「フランス・ルート – Camino Francés」で、ガリシア州の出発点になるのが、「セブレイロ峠 – O Cebreiro」。9世紀に起源を持つ「聖マリア・レアル礼拝堂 – Santuario de Santa María A Real do Cebreiro」はキリストの「聖杯伝説」と関係があると言われている。ルーゴ県の産業は主に農業・牧畜・林業

●オウレンセ県(Provincia de Ourense):

県庁所在地のオウレンセ市 (Ciudad de Ourense) も、ローマ時代の遺跡が残り、古代の温泉跡が見られる。ルーゴ県とオウレンセ県の境に、「リベイラ・サクラ – Ribeira Sacra」(聖なる渓谷)という壮大な地域があり、6世紀くらいから、隠匿の修道士たちの祈りの場所となった。現在では、パラドールになっている「サント・エステボ修道院 – Monasterio de Santo Estevo」の他、各地に宗教施設が点在しており、また、渓谷沿いに広がるワイン畑は、その起源をローマ時代に持つ非常に由緒あるワイナリーである。

(original map : todacultura.com)

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ガリシアを含むスペイン北部は南部ほどイスラム教徒の影響を受けておらず、芸術や建築様式において独自のキリスト教美術が発展し、特にガリシアを含む「サンティアゴ巡礼の道」のルート沿いには数多くの巡礼芸術が残っており、ロマネスク芸術の宝庫と言われています。

特に、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の「栄光の門」(Pórtico de Gloria) は、ロマネスク芸術の巨匠マテオが設計した傑作です。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の「栄光の門」

(以下は、サンティアゴ・デ・コンポステーラのバーチャルビデオ:提供-ガリシア州政府プロモーション州営企業TURGALICIA)

http://www.turgalicia.es/sit/ficha_datos.asp?ctre=121&crec=3444&cidi=I

北スペインのガリシア(Galicia)、アストゥリアス(Asturias)、カンタブリア(Cantábria)、バスク(País Vasco)の4つの自治州を称して「グリーンスペイン」というブランドが作られ、緑豊かな自然と海、そしてこれらの土地が生み出す豊富な食材を利用した、「多様で高度な食文化」をメインにした観光キャンペーンを世界各地で行い、近年、北部への観光客が増加してきました。

これらの土地の伝統料理やニューベルキュイジーヌは、世界のグルメを満足させるものです。スペインで活躍しているシェフたちのうちのほとんどは、北スペインにレストランを構えています。ガリシアにも、ミシュランの星を持つシェフが毎年増えています。

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古代ローマ時代から「地の果て」と呼ばれたガリシアの海岸

ガリシアは、このスペイン北部の中でも最西端にあるため、古代から「フィニス・テラエ」つまり「地の果て」と呼ばれ、それが現在の「フィニステーレ岬 Finisterre」(ガリシア語では「フィステーラ Fisterra」)の語源になっています。

「地の果て-フィステーラ岬」に沈む夕陽

イベリア半島においてキリスト教以前、ケルト民族が自然信仰、この辺りは、ユーラシア大陸の西の果て、「日の沈む処」として、すでに神秘の力を持った土地として知られていました。

紀元前2世紀頃に、北スペインに侵入してきたローマ人たちは、ガリシアの各地に軍隊を駐屯させ、植民地化を進めました。勇猛な兵士として知られるローマ人たちさえ、このフィステーレの海岸に沈む燃えるような夕陽を畏怖したと言います。今日でも晴れた日には、荘厳な夕陽が海を焦がすように沈んでいくのを見ることができます。

ガリシアの海岸一帯には、聖母マリアやキリストに纏わる伝説が多く伝えられていますが、キリスト教以前のケルト民族が非常に強い自然信仰を持っていた土地でもあるので、今日でもガリシアには、異教的な魔女や死者の世界に関する伝説が根強く残っています。

(ビデオ:ガリシア州ア・コルーニャ県コスタ・ダ・モルテCosta da Morte/ 制作 Meigalicia)

(ビデオ : ガリシア州ア・コルーニャ県フェロール市Ferrol監修)

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「ガリシアの産業-海とともに生きる」

ガリシア州は、ア・コルーニャ県、ポンテベドラ県、ルーゴ県、オウレンセ県の4つの県から構成されています。ア・コルーニャ県が北西部、その南にポンテベドラ県、また、ア・コルーニャ県の東にルーゴ県、その南にオウレンセ県があります。

ガリシア州内で、産業が特に発達しているのが、ア・コルーニャ市 A Coruña(ア・コルーニャ県の県庁所在地)ポンテベドラ県でヨーロッパで最大の魚港を持つビーゴ市Vigo(ポンテベドラ県の県庁所在地)です。

(ビーゴ市紹介のビデオ‐スペイン国営放送)

ガリシア州は、カンタブリア海大西洋に面しているため、魚介類が豊富です。また、特に、貝類は、ポンテベドラ県の西南部の海岸、「リアス・バイシャス」の一帯で、養殖が盛んに行われているため、この辺りに魚介類の加工工場が集中しています。

ガリシア産のムール貝

ガリシアのムール貝の養殖は世界的に知られており、その質と味と大きさは多くの料理人が絶賛するところです。その他、イカ、タコ、マテ貝などの加工品も、多くのものがそのまま手を加えずに使えることから、レストランやケイタリング業界で幅広く使用されています。

また、ガリシア州の海岸では海藻が豊かに育ち、ワカメコンブノリテングサを初め600もの種類があり、そのうち100種類ほどは食用になるものです。現在までのところ12種類ほどが商品化されています。

(ビデオ-ガリシア州営放送:海藻加工食品会社ポルト・ムイニョスhttp://www.portomuinos.com)

海藻は、日本では欠かせない食品であっても、ヨーロッパでは、まだ「薬」や「健康食品」としての扱いを受けることが多いのですが、ガリシアではすでに、何年も前から多くのレストランで使用されています。

伝統料理に手を加えた新しい料理に積極的に海藻が取り入れられ、現在では、日常の食材としてスーパーなどでも売られています。海藻を乾燥させたものの他に、スペイン・ガリシアならではのユニークなレシピに海藻を使ったものもあり、日本人の海藻を食べる感覚とは、また一味違った海藻入り食品があります。

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「高品質なワインの産地」Galician Wines

ガリシアの穏やかな気候は、ブドウの栽培にも適しており、赤白ともいろいろな種類の良質なワインを生み出してきました。ガリシア州内には、2010年までに5つの「ワイン原産地」(D.O.-Denominación de Origen) が認められています。この原産地呼称のラベルを貼ったワインは、それぞれの地域において一定の基準を満たしているものです。

リアス・バイシャスRías Baixas

●リベイロ Ribeiro

●リベイラ・サクラ Ribeira Sacra

●バルデオラスValdeorras

●モンテレイ Monterrei

程よい酸味とフルーティーな香りが特徴のガリシア産の白ワイン「アルバリーニョ種Albriño」は、日本でもかなり知られるようになってきました。他にも、白ワインには、「ゴデジョGodello」「リベイロRibeiro」という種類があり、赤ワインは「メンシアMencia」という種類が有名です。

白ワイン「リベイロ種」のワイン畑
白ワイン「ゴデジョ種」のワイン畑